【地方独立行政法人 秋田県立病院機構】秋田県高次脳機能障害相談・支援センター(高次脳機能障害支援拠点機関)

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患者のみなさまへ

高次脳機能障害Q&A 2

 

令和元年8月19日に開催した高次脳機能障害及びその関連障害に対する支援普及事業担当職員研修会でのQ&Aです。

Q.本人に病識がなく、転院をすすめても納得してもらうのに苦慮したケースがあった。また、年齢も若かったため、自己評価が高かった。紹介させて頂くにあたり、どういったリハビリが生活・就労にどうつながっていくのか内容や流れ、本人への働きかけについてご教示頂きたいです。

A.
 病識への介入方法の一つとして「リアルフィードバック」という方法があります。これは本人ができない課題を実際に行ってもらい、その課題を通してうまくできないということを自覚してもらう方法です。病院で行う検査では検査結果を標準値として説明することも最初の気付きに繋がることがあります。ご質問のように入院をすすめたいが納得が得られない場合は、例えば本人が「道に迷うことが増えた」「電話番号を忘れてしまった」など、具体的に起こっている困りごとを利用して、解決策の一つとして病院での相談や検査をお勧めするなどです。対象者は、障害は認識していなくても、「何か変だ、何か違う」というような感覚は持っている方が多いようです。具体的な行動の中で「何か変だ」と本人にも見える形を設定すると気付きに結びつく場合があります。
 「病識がない」ことは高次脳機能障害に伴うひとつの症状です。したがって支援者側は、対象者の「病識低下」を症状と捉え、改善させようとするよりもむしろ「病識低下」があるものとして支援する方が現実的です。病院や自宅での日常生活では問題が表面化しなくても、就労では本人にとって難しい課題が沢山あります。課題が難しくなると本人は種々の壁に突き当たります。しかし、病識がないと自己洞察ができないので、困難の原因は自分にあるのではなく、周囲の人や環境のせいにしてしまい、結果的に就労が長続きしないという悪循環に陥ります。
 高次脳機能障害のある人への対応では、この病識も含めて全体像を評価し、何ができて何ができないかを見極めた上でその人の能力に合った支援が求められます。繰り返しになりますが、「病識」を改善させようとするのではなく、ご本人が困っていること、したいと思っていることを具体的に挙げて、その解決策を考えて対処していくことが結果的に病識へも働きかけていることになるのだと思います。

Q.高次脳機能障害と認知症の関連について、どのようになっているのか。

A.
 ①高次脳機能障害は脳損傷の時期が明らかである。
 ②高次脳機能障害そのものは進行性の障害ではない。
 認知症とは、アルツハイマー病や脳血管障害、ピック病など、さまざまな疾患が原因で記憶力や判断力が低下し、日常生活に支障が生じてしまったことで、症状や治療方法も多様です。そのため認知症の人も高次脳機能障害があるといってもまちがいではありません。
 一方、厚生労働省の定義によると高次脳機能障害とは「事故や病気によって脳が損傷し、病気は治癒固定したものの社会に適応できない記憶や注意、遂行機能などの障害があること」です。原因疾患は脳血管障害、脳外傷などがありますが、アルツハイマー病などの進行性疾患は含まれていません。
 一般に、高次脳機能障害は進行せず程度によっては回復する場合もありますが、認知症は徐々に進行していくと考えて良いと思います。

Q.高次脳機能障害の方とのコミュニケーションの取り方について教えていただきたいです。

A.
 高次脳機能障害は様々な症状の総称ですのでまずは個々にどのような症状があるのかを評価して障害像を明らかにする必要があります。
 その上でその症状に合わせたコミュニケーションの取り方を考え、工夫する必要があります。高次脳機能障害のある人への共通的な対応の基本としては
  • ゆっくり、わかりやすく、具体的に話す。
  • 心の問題を楽観視しない。
  • 思いやりをわすれない。
  • 説明はしすぎるくらいが適度。
  • 情報はメモに書いて渡す。
  • 何か作業をするときは、一つ一つ具体的に示す。
  • 手順を簡単にする。
  • 日課をシンプルにする。
  • 手掛かりを増やすなどの環境調整を行う。
 また、高次脳機能障害情報・支援センターの情報も参考にして下さい。

Q.高次脳機能障害が在宅復帰するためには、リハビリではどのようなアプローチが有効なのか

A.
 高次脳機能障害のある方に限らず医療で行うリハビリテーションは診断、評価、目標・方針の決定、計画の実行、再評価、(必要に応じて)目標の更新という流れで行われます。多彩な症状を持っている場合が多いので、リハビリは多職種で治療や援助をしていきます。そして、今後大きな改善がないと判断された時期には在宅復帰に向けた具体的準備を行います。

 アプローチは直接的アプローチ、間接的アプローチ、代償的アプローチ、家族指導・環境調整、患者教育の5つの方法に分けられます。直接的とは、記憶障害なら記憶の課題、失語症なら言語の課題などを行うことを言います。間接的とは、問題となる症状に関連した部分を鍛えていくものです。体力増進させて身体的な余力を作ることなどが該当します。代償的とは、記憶の補完にメモを使うなどのことを指します。これらのアプローチは急性期、回復期、維持期などで適したアプローチが変わってきます。

Q.県南にある高次脳機能障害を支援している施設、団体について具体的に教えて頂けるとありがたいです。診療所のケースワーカーとして本人やご家族からの相談があった時案内できるようにしておきたいです。

A.
 秋田県高次脳機能障害・相談支援センターにご相談ください。

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