高次脳機能障害Q&A


faq

高次脳機能障害についてのQ&A

Q.受診するかどうか迷っていますが、相談できますか。

A.どのようなことでもまずはご相談下さい。電話や来所でのご相談にのっています。現在通院している機関がある場合は、受診の際には、原則的に紹介状をお願いしています。

Q.検査費用はどのくらいかかりますか。

A.各種医療保険が適用になるので、かかった医療費の1割から3割が自己負担となります。実施する検査や画像診断によっては、医師の判断で1~2週間ほど入院して頂いて検査を行う場合もあります。

入院の際、70歳未満の方は限度額適応認定証の手続きをすることで、窓口で払う費用が自己負担限度額までとなります。

Q.高次脳機能障害と認知症の違いを教えて下さい。

A.医学的な意味で「高次脳機能障害」という言葉が使われる場合は、認知機能障害全般を示すため認知症も含まれることが多いです。「血管性認知症により高次脳機能障害がみられる」などと使われます。

一方、行政的に用いられる「高次脳機能障害」の定義では、進行性の病気は除外されているため認知症は含まれません。

一般に、高次脳機能障害は進行せず程度によっては回復する場合もありますが、認知症は徐々に進行していくと考えて良いと思います。

Q.高次脳機能障害のリハビリテーションはどのようなものがありますか。

A.「高次脳機能障害」でどのような症状が現れているかにより、リハビリテーションの内容も異なってきます。まずは症状をきちんと理解し、それにあったリハビリテーションの方法を主治医やリハビリスタッフと一緒に考えていきましょう。

高次脳機能障害情報・支援センターのホームページにどのようなリハビリテーションがあるのか詳しくのっていますので、ご参照下さい。

Q.当事者の方は自分の障害についてどのように認識しているのでしょうか。受傷・発症前後の変化を自覚しているのでしょうか。

A.患者さんの中には自分の変化に気が付くことが出来ず、「どこも悪くない」「前と同じ事が出来る」と思ってしまう方もいます。「病識低下」という症状で、高次脳機能障害者の特徴の一つです。このため治療やリハビリを拒否してしまう方もいます。

一方、時間の経過や同じような高次脳機能障害の方と出会ったことにより、自分の障害に気がつくことができたという方もいます。

Q.施設利用者に高次脳機能障害者の方がいます。対応のポイントはありますか。

A.受傷・発症後、日常生活や対人関係で上手くいかず、不安や混乱を抱えている人が多くいます。思いがけない事故や病気による障害のため、ご本人やご家族共に以前との違いを理解し受け止めるまでには時間がかかります。それまでの生活や人生観を尊重した関わりを持つようにしましょう。

また、何年もかかってゆっくり回復していく方もいます。できない事よりもできる事を見つけながら、その人の症状に合わせて根気よく対応していくことが大切です。

主な症状と、対応の一例です。

記憶障害

できごとや新しいことを覚えられない。作業中に何をしていたかを忘れてしまったり、手順がなかなか覚えられない。

  • 情報は短く区切って伝える。
  • カレンダー、「やること」リスト、タイマー、メモ、メモリーノート、携帯電話などを活用する。
  • ラベル、看板、矢印などを使い、作業する場所や物の置き場所をわかりやすくする。

注意障害

集中して作業ができなかったり、作業を終えるのに時間がかかる。ぼんやりしている。

  • 頻繁に確認を促し、注意を持続できるようにする。
  • 周囲の刺激を減らし、静かな環境を整える。
  • 本人の興味があるものや、なるべく簡単な課題から取り組む。

遂行機能障害

自分で計画を立てて行動したり、結果を見て行動を修正したりすることが難しい。

  • 作業手順をわかりやすい言葉で、具体的に書いて提示する。
  • 「次はどうするのですか?」など、声かけを行い次の作業のヒントを与える。
  • 時々作業の誤りがないか見直しをする。

社会的行動障害

意欲や自発性の低下のため、やる気がでなかったり、感情のコントロールができずに怒りっぽかったりする。ルールを守れなかったり、些細なことにこだわったりする。

  • 本人の興味のあることを見つけて促す。「なまけいている」などと責めない。
  • イライラしている場合はその場から一旦離れて休憩を入れる。
  • 問題が起きた時は、その場で望ましい行動を話し合う。
  • スタッフの対応の仕方を統一する。

ページトップへ戻る